【5月7日に終わるブログ 12日目】最後だとわかっていたなら

※本記事は2021年4月11日に店長ブログアワード2021としてガールズヘブンに掲載された【最後だとわかっていたなら】を加筆修正したものとなります。

私は詩を読んだり書いたりといったこととはほぼ無縁なまま生きてきた人なのですが、そんな私にもひとつだけ好きな詩があります。

それは9.11同時多発テロ事件のときにチェーンメールのような形で広まって有名になったもので、元はアメリカ人のノーマさんという詩人が幼くして亡くなった息子さんへ捧げた詩だと聞きました。

ちょっとここでその詩を引用してみますね。

Tomorrow Never Comes
最後だとわかっていたなら
ノーマ・コーネット・マレック 作 / 佐川 睦 訳

❝
あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように
祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて
抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう

あなたは言わなくても
分かってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして わたしたちは 忘れないようにしたい

若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを

明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから

微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を
どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと

だから 今日
あなたの大切な人たちを
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも
いつまでも 大切な存在だということを
そっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう そうすれば
もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
❞

今回ブログを執筆するにあたって詩を読み返してみたら、やっぱり涙が出そうになりました。

昔、回復する見込みがなく病床で意識の無かった父親に「一度も親孝行できなくてゴメン」と伝えたとき、気の所為とは思うけれど一瞬頷いたように見えて少し救われた気がしたことを思い出したりして。

さて、このまま良い話で終わってしまうと私っぽくないので、以下にこの詩にちなんだエピソードを書いて終わろうと思います。

…

過去に私はこの詩を二人の方に贈ったことがあります。一人はメールでの会話の中で、もう一人は(特別な理由などなく思いつきで)本を渡して。

どちらも感想を聞く機会は訪れず、この詩を贈って暫く後に今生の別れとなりました。

たまにふと思い出して読み返したくなるような詩であると同時に、私にとってはそんな曰く付きでもある詩です。

というわけで、この詩は二度と誰かに贈るまいと今は心に固く誓っています(笑)。

※詩に原因がある訳ではなく偶然なんですけどね。